私の物語
こんにちは、株式会社サクライトの杉浦です。
2017年6月。私は、22歳から11年間勤めていた自動車部品製造の会社を辞め、日本を飛び出しました。安定した仕事、周囲からの信頼、積み上げてきたキャリア…すべてを手放してまで挑んだのは、「いつか海外で、自分の力で何かを成し遂げたい」という、胸の奥でずっと燻っていた夢でした。
しかし、周囲の反応は冷ややかでした。「せっかくいい会社に入れたのにもったいない」「無謀だ」「できるわけがない」――そんな声を浴びながらも、唯一私の夢を信じて背中を押してくれた妻、そしてまだお腹の中にいた我が子を残し、私はたった一人でインドネシアに渡りました。
知らない土地で、言葉も文化も通じない中、私は必死に道を探し、夢を追いかけました。しかし、現実は想像を超えて厳しく、結果として事業はうまくいかず、挑戦は失敗に終わってしまいました。「勢いだけでは通用しない」――身をもって痛感した3年間。けれどその失敗こそが、私の人生を大きく変えるターニングポイントになったのです。
2021年8月、日本に帰国。「これからどう生きていくか、、」と模索していた私に、インドネシア時代の友人から声がかかりました。「日本の工業品をインドネシアに輸出してほしい」――そのひと言が、再び私にチャンスを与えてくれました。私は私一人の小さな会社を立ち上げ、少しずつ取引先を広げていく日々。
しかし生活はまだまだ厳しく、アルバイトを掛け持ちしながらの毎日でした。そんなある日、インドネシアで出会った別の友人からこんな提案をもらったのです。「オーストラリアでワインを造っているんだけど、日本に輸入してみないか?」その瞬間、私の心に火が灯りました。
オーストラリアワインとの出会いは、まるで運命でした。一口飲んだそのときから、私はその奥深さ、多様な表情、そして土地が育む豊かさの虜になりました。「この素晴らしいワインを、もっと多くの日本の人たちに届けたい」心の底からそう思いました
今、私の新たな挑戦は始まっています。オーストラリアワインの魅力を日本中に届けること。ワインという文化を通じて、新しい世界の扉を開くこと。そして、かつて夢に敗れた私が、再び立ち上がり、新たな未来を創ること。
私は信じています。人は何度でも挑戦できる。失敗は終わりではなく、次の一歩の始まりだということを。
このワインの旅を、皆さんと一緒に歩んでいけたら――これほど幸せなことはありません。
株式会社サクライト
杉浦 広之